SS

a0127828_15395069.jpg

昨日の天皇誕生日に、六本木の『21-21』にいってきました。
26日までの三宅一生ディレクションの『再生・再創造展』、やっと行けました。

この展示は、一生さんが松井孝典という人が書いた『われわれはどこへいくのか?』という一冊の本から問題意識を持ち、洋服のあり方、人間がしてきたことの後始末をどうするかという問題に対して、デザインができることを探っていった過程とその結果できあがったものとを、時間を追って見られるしくみになっています。

インパクトがあるのはなんといっても洋服の形態で、日本の折り紙のように美しい形で、平面にぺたんと折り畳んだ状態のものが、それを開いて身に纏うと、思いがけない広がりと立体感を持って、また美しい形を形成するというものです。

この形状は『立体折り紙』というものを研究している科学者を知ったことにより着想が生れたのだそうです。

そして洋服に使われている『再生ポリエステル』という繊維がまた素晴らしくて、廃棄された石油系の生地を集めて溶かし、不純物を取り除いてまた繊維に作り直していて、この方法だと0から繊維を作る場合と比べて、約8割ものエネルギーが削減できるのだそう。
おまけに、半永久的に再生が可能だそうです。これはすごい。

従来は作業着などにしか使われていなかったこの繊維を、試行錯誤によって柔らかくしていき、着心地の良さ、織りの具合、染料の色合いなど、各分野の職人の技術と根気強さを頼りに、理想に近づけていく過程の記録映像を見ることができ、とても面白かったです。

今や私たちの着ているお洋服のほとんどが外国産で、日本製はどうしても人件費などの面で高くついてしまうけれど、日本には他の国には無い高い技術がある。日本の工場が世界で生き残るためにはその技術で勝負するしかないと言う、職人さんの覚悟の表情が印象的でした。


話は逸れますが先日、junoがサンプルを作らせていただいた商品の作り方を説明するために、埼玉の行田市にある縫製工場に伺いました。
その周辺も、昔は『ミシンの町』といわれたほど昼間はミシンの音が絶えることがなかったのが、
海外の安い労働力に仕事を奪われ、今ではほとんどの縫製工場が潰れてしまったのだそうです。

私たちの取り組んだ商品はまだ企画半分というところで、大量注文もできないため、小さなニーズにも対応してくれる日本の工場にお願いしたということですが、実際に工場に出向いて話ができたり、説明をしていても、ちゃんと言葉が通じて、理解してもらえていると実感できるというだけで、だいぶ安心感が違うし、
細かいニュアンスが伝わるかどうかで、出来上がるものがだいぶ違ってくる気がしました。

そうして帰りにこの道40年の職人さん夫婦とファミレスで乾杯し、会話する中で苦しい現状もそれとなく伝わってきたりして、junoも『われわれはどこへいくのか』なんて、わずかな脳みそで考えないでもなかったのでした。

最近『断捨離』なんて言葉が流行っています。junoの子供の頃にも、『「捨てる」技術』なんて本が売れたりして、私たちの心のどこかには、いつも「物はあまりもたないのが良い」という気持ちがあるのだと思います。

大量生産の服を買うのを今までの半分くらいにして、いつも外国製の服を5枚買っていたお金で、日本製の高くても丁寧に作った洋服を1着だけ買うようにすれば、収納にも困らないしごみも減るのじゃないかしらなんていうのは、考えが安易すぎるかしら。

それでも、日本の工場がどんどん潰れて行っているのは悲しすぎる現実だし、海外のものと日本のものを上手にミックスさせて、みんなで共存していくにはどうすれば良いのか、少しでも考えていけたらいいなあとしみじみ思わせてくれた展示でした。

写真は外の庭園のイルミネーションです。カメラをくるくる回しながら撮ると光が伸びるのがおもしろくてしつこく撮っていました。
そういえば今日はクリスマスイブですなぁ。
[PR]
by junocchi | 2010-12-24 17:02 | わたくしごと | Comments(0)