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夜鷹

こんにちは。
『四月に個展をするので、ご協力おねがいします♡』的なことを口走ったところ、早くもバイトを干され気味なjunoです。
お金はないけど時間に恵まれた師走…協力的なバイト先に恵まれて、涙が出ます。

そんなわけで、オーダー頂いたポンチョ制作に精を出していますよ。
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夜鷹のポンチョ、色違いです。チャコールグレーも良い感じ。
千人針ならぬ、一人千針という感じですな。
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お客さんと話していて知ったのですが日本ではその昔、夜な夜な街角に立って花を売る、今でいうと娼婦のことをそう呼んだそうです。

それを聞いたときにはこのネーミング、どうしたものかと思ったのですが、オーダー主さんがしゃれのわかるお方で、
『でも夜鷹なんてかっこいいよね、名前だけならなりたいくらいよ』
とおっしゃったので、このままでいいか、と思いました。

娼婦といえばjunoは『ヨコハマメリー』という映画が好きで、何回も見ているのです。
主人公のメリーさんは外国人専門の娼婦なのですが、あるとき独り身の彼女を気遣って、顔見知りの女性が声をかけても知らんぷり。後で彼女が旦那さんにそのことを話したら、
「それは、娼婦である自分と親しくしていたら、お前まで他人からそういう目でみられると思って、お前を守るためにやったことだよ」
と諭される、というエピソードのところで、junoはいつもやさしさについて考えたり、泣きそうになってしまいます。

それから、椎名林檎さんの『歌舞伎町の女王』という歌の歌詞にも、かっこいい娼婦像がでてきますね。
「女に成った私が 売るのは自分だけで 同情を欲した時に 全てを失うだろう」

私はただ自分一人を商売道具にして、お金をもらって、生活を手にいれているのだ。他のなにも求めていないし、何も奪っていない。
そんな凛とした誇り高き女性に対する無意識な尊重が、夜鷹という呼び名には込められているような気がします。

一方junoはといえば、最近チルチルにたかってばかりのどうしようもない半居候に成り下がっているのですが。このポンチョができあがったら手に入るお金で、同居人になにか美味しい物でも奢ってあげようかな。
by junocchi | 2011-12-12 12:51 | 刺繍